~少し使ってみた感想~
身内の車両を含め、私がいじっている車両たちです。
肝心要のウエットクラッチ対応のオートバイ用オイルはモトクロスライダーにテストしてもらっています。
全日本戦が始まったのでちょっと時間かかるかなぁ。

本来、扱う商品やメーカーに対してネガティブな事を書くべきではありません。けれど、経緯を書かないと皆様に納得していただけない部分もありますので、ある程度の範囲ですけれど、書く事にします。
2012年12月はじめからACCOR Lubrifiantsと対話してきました。ある程度の段階までくれば、実際に使ってみなければ分かりません。それで主に化学合成油を発注しました。その後、対話を重ねるうちに、納得できない部分が発生しました。これはACCOR Lubrifiantsの本質なのか、あるいは担当者個人の問題なのか分かりません。私は『ダメなオイルを掴んでしまった』と不信感を募らせてしまいました。
今思えば、ACCOR Lubrifiantsはフランスの会社なので、社内はフランス語です。どうも対外的に英語を使うことができる人が居なくて、潤滑油やメカの事がわからなくても英語の堪能な人を英語担当にしたのだと思います。

BMW R100RS
1981年
94,700km

2013/04/01
使った油
Competion 10W50
EasyShift 75W90
バイクですけれど、FR乗用車と同じようなレイアウトです。ですので、使うオイルも乗用車と同じです。古くておんぼろだけれど、自分の趣味ということでご容赦ください。エンジンはフレームのダウンチューブに載っているだけですけれど、リジッドなのでエンジンの振動など感触は乗用車より分かり易いと思うし、遮音板もありませんので、音も分かりやすいです。オイルの話なので、詳細は割愛しますが、ロッカーアームの形状を見ても構造上音が出やすいと思います。取り敢えずテスト車両1号はこのようなバイクです。

KENNOLを使う前はエンジンにAMSOIL AHR(シングル60番)、ミッション、シャフト、デフ(ベベルでハイポイドギアではありません)にAMSOIL SVO(75W-140)を使っていました。きっちり整備すればそこまで音は出ないと思いますが、ARO(20W-50)では暖気終了くらいから音が出てしまいます。タペットクリアランスを規定より大幅に詰めても収まりません。それで掟破りの60番にしました。これなら寒い時期で通常走行する程度であれば気になる音はしません。それでAHRを定番にしました。ミッションもSVG(75W-90)を使っていましたけれど、音が出ますし、シフトタッチがあまり良くありません。ベアリングがダメなのはほぼ確実です。それでこちらも掟破りのSVOにしました。これで誤魔化せた感じです。

ウチのお客さんはAMSOILのユーザーさん達でした。KENNOLやACCORとAMSOILとの比較が気になるところだと思います。それで、KENNOL&ACCOR入荷の1週間ほど前にエンジンオイルとミッションオイルは交換しました。シャフトとベベル(デフ)は面倒なので交換しませんでした。

KENNOLとACCORが入りましたので、取り敢えずエンジンにKENNOL Competition(10W-50)を、ミッションにKENNOL EasyShift(75W-90)を入れてみました。自分の見込み違いとは言え、ACCOR Lubrifiantsにネガティブな印象を持ってしまっています。どれだけダメか確認するような気持ちがありました。こんな心境、分かってもらえますよねぇ。で、エンジンとミッションのオイルをKENNOLに入れ替えてチョークを引きエンジンスタート。感想は「あれ・・・?」。AHRはシングル60なのでチョークを引いても回転が上がらずストールするのに普通に暖気。音も妙に静か・・・。まぁ、10W-50だし・・・とタカをくくって、銀行巡りに発進。ギアを入れるとちと渋い。SVG(75W-90)と似たような感じか、ちと渋め。ほらね、ほらね、やっぱりね。と思っていたら、だんだんスムーズに。スムーズだけれどSVO(75W-140)に比べると油膜が細いとか薄いとか・・・そんな感じです。75W-90と75W-140ですからねぇ。それでちょっと遠回りして郵便局に。自暴自棄になっているので、エンジンかけたまま(御法度ですが)で、15分~20分放置プレー。エンジンはストールしているだろうと予想しておりましたが、回転数は少し落ちていたもののアイドリングしていました。気温も暖かったし風はほとんど無かったので、10分、どんなに頑張っても15分はアイドリングできないはず。空冷ですからねぇ。けれどKENNOL Competitionを入れたエンジンは回り続けていました。おまけにエンジン音が違いました。AMSOIL ARO(20W-50)にしてもAHRにしてもある一定以上の温度になると「カンカンカン」と響くような不思議な音がします。この音の発生する温度がAHRの方が高いので、自分はAHRを使っていたのですけれど・・・。ところがKENNOL Competitionは「カ・カ・カ」とタペット音が少し出ている程度です。「あれ~、温度が上がらなかったのかなぁ・・・」とバイクに跨るとオーバーヒートした時と同じような異様に熱い上昇気流が顔に当たりました。どうなっている? ありえない・・・。

エンジンの回り方はパーシャルではとてもおとなしい感じがします。大袈裟な表現が許されるならエンジンを止めてクラッチを切って滑空しているような感じです。軽い加速体制にすると優しいパルス感が出てきます。加速を強めるに従ってパルス感も大きくなる感じです。でも決して荒々しいものでは無く、シルキーな感じです。AMSOILの方はパーシャルでとても静かだと思いましたが、KENNOL Competitionに比べると『仕事してます』という感じがしていました。アクセルを開けていくとバーンと回る感じがします。イメージ的にはパルスの平均値という感じでしょうか。ともあれ、KENNOL Competitionを入れたエンジンの方がとても気持ちいいです。

アイドリングについては大きな違いがありました。AROにしてもAHRにしても渋滞した都市部を走る温が上がるような状況ではアイドリング回転数を1000rpmに調整しても1300rpm~1500rpm程度に上昇してしまいます。油温が高い時にアイドルを1000rpmに合わせると郊外を走った時はアイドルが低すぎてしまいます。ジレンマ。これはバルブシートのあたり幅が規定値より大幅に広がっていますし、バルブガイドも少しガタがあるので、仕方ないものだと考えていました。Competitionの方はアイドル回転数が上がっても1200rpmまではいかない感じで1100rpmで収まる感じです。油温の高温と低温で粘度の変化が少ない感じがします。これって粘度指数なんでしょうけれど、AHRは意外と低いのですけれど、AROはCompetitionより若干高い数値です。う~ん、これは40度と100度の粘度変化だっけ・・・。SRX-6は油温計がついていて空冷で油温が上昇する時は140度は当たり前、酷い時は150度を超えることも多々ありました。この領域は別なのかしら・・・。

後はライフの問題です。これは時間の掛かるものですが、ACEAのA3なのでロングライフです。けれどR100RSはステムシールが無い! オイル下がりが基本で2スト並のオイル消費量。おまけにメーカーのオイル交換サイクルは約3000km。ロングライフのテストは難しいか・・・。
それにしても上には上があるということなのでしょうねぇ・・・。う~ん、今度はAMSOIL RD50の在庫が少しあるので、掟破りだけれど比較してみようかなぁ・・・。と思ったら、在庫が無くなってしまいましたぁ。

KENNOL製品・ACCOR製品全てか分からないけれどCompetitionはかなりヤバイオイル(良い意味で)です。3000rpm以下で巡航もエンジンが付いてないような感じで気持ち良いですけれど、レッド手前までの加速感や排気音がやたら気持ち良いです。免許がヤバイ。ウデも無いし、イイ年こいたオヤジなんだから、ちっぽけな自制心を最大限に発揮しなければ、命もヤバイかも。

自分はAMSOIL教・日本支部支部長さんみたいな感じでした。信心深さは誰にも負けないという自負がありました。2004年4月12日に初めてAMSOILにメールして、初めて荷物が入ったのが8月半ばでした。9年の歳月が流れていたのですねぇ。途中からAMSOIL海外事業部と上手くいかなくなってしまったけれど、製品については世界最高と信じて疑いませんでした。それがガラガラと崩れています。バイクに乗るのはとても楽しいけれど乗れば乗るほどに自分の中の何かが崩れていく感じです。R100RSは趣味と実益の車両です。思い入れもあるので長くなってしまいました。すみません。

三菱
デリカカーゴ
平成14年
163,023km

2013/04/01
使った油
Energy5W30
デリカカーゴ、マツダのボンゴブローニーです。オイル運搬用車両です。ガソリン、2000ccマニュアル。一般的な貨物運搬用の車両なので説明は不要でしょう。この車はAMSOILの多くのオイルを試しました。中古で買って最初に交換したのが全然売れないPCO(15W-40)です。これはあらゆる面で衝撃的でした。最高だと思いました。
この車両も取り敢えずACCOR&KENNOL入荷一週間ほど前にエンジンオイルは交換しました。XLF(5W-30)です。ラベルが引き裂かれてしまった破損缶です。
BMWでとても良い印象になったので、興味津々です。この車にはXLFの粘度に合わせてKENNOL Energy(5W-30)を選びました。
交換してエンジンをかけ、通常のアイドル回転になると妙に静かです。もともと静かなエンジン(R100RSに比べて?)ではありましたが、更に静か。試しに走ってみると車が軽いです。スピードを上げていくと風切り音とロードノイズがうるさく感じます。巡航している時は滑るような感じです。
この車両、過去にXLO(10W-40)とAMO(10W-40)の比較をしたことがあります。AMOの方がかなり上質な感触を得ました。けれどXLFとEnergyでは更に大きな差があるように感じました。

チェーンソー
ECHO

使った油
MotoRacing2T
オイルを輸入するとパレットに載ってきます。このパレットを解体するのにチェーンソーを使います。今までTDRやAIT(共に50:1)、ATP(100:1)を使っていました。今回もパレットをバラさなければなりませんし、KENNOLのMotoRacing 2T, Scooter 2Tがありますので、MotoRacing 2Tを50:1で使うことにしました。けれど、最後にAMSOILを輸入してから長い月日が流れています。チェーンソーは放置されたままだったためか動きません。清掃やら調整してようやく始動しました。排気音はポッポッポッと少し4ストっぽい感じ。それでパレットを切ると何か簡単に切れました。マフラー出口から汁が垂れてくることはありませんでした。
こちらの方はキャブレターをいじってしまったし、エンジンパワーと木を切る感じとは直結しているのか分かりません。もしかしたら自分自身、チェーンソーの使い方が進化したのか・・・。
チェーンソーはATPの在庫もあることですから、再度試してみる必要がありますね。

スズキ
アドレスV100
40,000km

使った油
Scooter2T
 知り合いのアドレスV100にScooter 2Tを入れました。アドレスはポートを軽く磨いて、エアクリ内の余分なもの(豚鼻って言われているのかな)を取ってキャブの調整を少しした程度ですので、ほぼノーマルです。このバイクの用途は通勤、それも朝5:30くらいに出発。バイパスも走りますし、早朝ですので交通量は少ないのでペースはメチャ速! それで全開率はかなり高いです。何か変化があれば最高速・加速の違いとなって現れる可能性が大きいです。
 使っていたオイルはAMSOIL AIT, AITの在庫が切れてからはATP(これも掟破り)を使っていました。AITからATPにした時、変化はあまり無かったようです。
 KENNOLの入荷少し前にオイルランプが点いたとの話を受けたので、暫く我慢してもらってKENNOL Scooter 2Tを入れました。自分が入れてあげられれば残ったオイルを排出してからScooter 2Tを入れることができたのですが、訳あって本人が入れることになりました。前のオイルを抜かないで新しいオイルを入れても、変化は少しずつになると思います。ATPとScooter 2Tがどれくらいの比率かわかりませんが、混ざるのは確実。純粋にオイルの違いを見るのは不適切ですけれど、大体の感じはわかると思います。
 近いうちに最高速が上がった、下がったという話が聞けると思います。 
「2012/05/13追記]
 『加速性能が良くなった』との話がありました。いつも止められる信号からある場所に達したときのスピードは上がっているとの事でした。
 実はKENNOL & ACCORが入荷する前にV125を買うことにしていて、V100の調子が上がってきたところでV125が納車となりました。行き場所の無くなったV100はウチに来ることになりました。一年以上前にエアクリ掃除とドライブ系のリフレッシュをして最高速は頑張って○○km/hでした。(実数を書いたらマズイですよねぇ。) それから現在。距離は5000km以上走っていますが、最高速は10km/上昇?少なく見積もっても5km/hは上回っているようです。風向きによってでしょうけれど○○○km/hに迫る勢いの時もあります。半年前に真冬の明け方に走るので、大きな風防もつけたので、最高速は不利になっているかな。40km/h位まではエンジン回転数が低く少しかったるい加速で、そこからドッカンターボのような加速をするのでウエイトローラーの磨耗、グリス切れが考えられます。そしてパーシャルからアクセルを開けたとき、キックダウンのようなエンジン回転の上昇がないので、リフレッシュしたら更に? エアクリも掃除したいところです。
 スモークについては温まると発生しませんが、冷えている時に少し発生する事があります。
 燃費については、知り合いが気にしない人なので過去のデータは不明です。自分が乗ってほとんど全開で走って28km/L程度でしょうか。ネットでV100の燃費を調べてみたら平均的な数値でした。
 しかしKENNOL Scooter2Tって半化学合成油なんですよね・・・・。頭が混乱します。
 とてつもなく詳しい御仁にKENNOL Scooter 2Tを含めKENNOL MotoRacing 2T, AMSOIL TDR, AMSOIL AITなどを鉄板の上で熱してもらったりして比較してみました。自分も見せていただきましたが、Scooter 2Tはカーボンの発生がとても少なく、油煙(水で言ったら湯気のような感じ)がAMSOILより高い温度まで発生しませんでした。全般的に軽い感じのオイルです。この軽さがV100に良い効果を出しているのかもしれません。