Snow Mobile

2006/02/05
全日本スノーモービル選手権 第1戦 長野
パドック 今年の冬は異状に寒く、雪害で苦しんでいる人たちがたくさんいらっしゃいます。会場となる斑尾高原に行く道中から、昨年に比べて雪の多さにビックリしました。飯山市あたりでも道の横は2m以上の雪の壁。明け方前から除雪作業をしていて、迷惑にならないように除雪の重機をかわしながら走るのに苦労しました。
当日は時々曇りましたがおおむね快晴。ただ、メチャクチャ寒かったです。マイナス5℃とか10℃だったのではないでしょうか。カモちゃんはAMSOILのジャンパーと普通のジーパンで行ってしまったので、堪えました。来年はスキーウエアーを調達しなければなりません。スノーモービルの観戦に行くのであれば、少なくてもスキーウエアー以上の防寒は必要だと思います。当たり前なんですけれどねぇ。
 パドックはコースにすごく近い丘の上に陣取っておりました(^^) YAMAHAやSki-Doo, Actic-Catのワークス勢のお隣さんでした。

AMSOILを使う選手はA級スーパークラスにエントリーの粟屋選手(Team冬夢走屋)と今年からA級に昇格した波方選手。1年ぶりの再会でした。
 粟屋選手とは昨年お会いしていたのですけれど、あまりお話しもしていませんでした。スノーモービルショップ冬夢走屋さんがAMSOILを扱って戴けるようになったのは昨年の長野大会の後だったのよねぇ。今年はいろいろとお話しさせていただいて嬉しかったです。ビックリしたのはFMX(フリースタイルモトクロス)の金澤さんと知り合いだとの事。金澤さんも北海道ですので、まだお会いした事が無かっただけにビックリしました。それと世の中狭いものですねぇ。
 波方選手は今年、北海道の大会でもすごく調子が良いとの話しを伺っていました。昨年はA級S1だけの参戦でしたが、今年はS1とS2のダブルエントリー。調子が良いだけに期待がかかります。
 粟屋選手と波方選手の写真が左にありますけれど、粟屋選手はヒート1の後、波方選手は公式練習の後の写真です。クリックしてもらえれば大きな写真が出ますので、見てください。粟屋選手は逆光になってあまり表現できていませんが、それでもよく見ると・・・。15分+1周のレースなんですけれど、ゆで上げられた直後みたいにすごい蒸気を発しています。昨年もビックリしたけれど、今年見ても違和感を感じますねぇ。だって、マイナス何度の世界なんですもの。こっちは寒いの通り越して痛いくらいなのに、彼らは『あっちぃあっちぃ』ってTシャツ一枚になるんですものねぇ。スノーモービルは200kg以上、パワーはS2用(S3もかな)2スト440ccで120ps程度、A級スーパーやS1用2スト800ccともなると170ps程度出ているらしいです。このようなマシン(彼らはどういう訳か『機械』と呼ぶ)で競うので、テクニックもさる事ながら体力的にすごく厳しいのだと思います。

 レースの方は・・・ビデオカメラを回しながらですので、イマイチよく分かってないのですσ(^_^;) ファインダー越しだとどうしてもねぇ。それに雪煙がすごくて・・・。
 粟屋選手のA級スーパークラスの1ヒート。粟屋選手はスタート良く出たと思いますが、その後次第に順位を落として10位でした。これねぇ、仕方ないッス。MFJのリザルトを見てもらえれば分かると思いますけれど、A級スーパークラスってほとんどワークス勢やワークスのサテライトチームで争われているんですねぇ。YAMAHAのワークス勢は4ストマシンの開発に力を入れていて、この数年4ストマシンで参戦してきています。モトクロスと同じようにスノーモービルも将来的に4ストロークの時代が来ると言うことで必死になって開発をしているのではないでしょうか。4ストは少し重くなりますし、トルクの出方など雪上で不利な点があって、スタートは少し遅れたのだと思います。けれどさすがに大ワークスです。次第に順位を上げてきてしまいました。
 次は波方選手のA級S2クラス。スタートは良かったのですけれど少し順位を落として4位でフィニッシュ。S2の機械で今年から参戦ですので、この成績は満足いくものだと思います。そして来年はきっと良くなると思います。とは言っても来年があるのでしょうか(^^; この点については後述。
 続いては波方選手のA級S1クラス。ジュニアクラスを1つ挟んでいるだけですので、慌ただしい準備でした。私もビデオカメラを持ってコースの丘のところでスタンバイ。が!コース整備で待つ事数十分。すっかり冷え切ってしまいました。スタートは3位か4位くらいでした。このままのポジションかなぁと思っていたら次第に順位を上げ、気がつけば2位に。しかし周回遅れが出てくると1位との差が開いてしまいました。けれど8分くらい経過したところで、次第にその差を縮めていきます。ビデオのファインダーで『1位のNo.14の機械が通り抜けてしばらくしてから波方選手』で撮り続けていたら、10分少し経過したところで、波方選手が来ない! 転倒かと思いました。探すと、何とNo.14をかわして1位を走っておりましたぁ。そしてそのままフィニッシュ! 波方選手は『ただがむしゃらに走って、1位の選手を抜いた時も周回遅れの選手だと思っていた』との事でした。レース直後、オフィシャルの人に2位と言われて、2位だと思ったらしいです。
 波方選手の今年の成績によって来年はA級スーパークラスになるかもしれませんねぇ。そうすると・・・S2クラスでの参戦はどうなるのでしょう・・・。
 最後は粟屋選手のA級スーパークラスのヒート2です。実はS1の直後で体が冷え切ってしまっていて、パドックのストーブから離れられなくなってしまっておりましたσ(^_^;) で、実況放送を聞いていたです。スタートで粟屋選手はフライングを取られてしまいました。確か再スタートも他の選手がフライングを取られてしまいました。今年の斑尾のコースは抜きにくいとの事で、スタートが明暗を分けるので、スタートが大変だったようです。
粟屋選手

粟屋選手のPolaris

波方選手

波方選手のSkiDoo S1用

波方選手のSkiDoo S2用

S2表彰

S1表彰
公式リザルトはMFJのページにあります。

スノーモービルという機械
雪の降らない地方に住んでいる人にとってスノーモービルは全くなじみのない機械です。それで、ちょこっと紹介っす。
スノークロス用エンジンは2スロークが主流です。排気量はいろいろあって、全日本戦ではS3=2スト500cc以下4スト1000cc以下、 S2=2スト600cc以下4スト1200cc以下、 S1とS1スーパーは無制限になっています。4ストは分かりませんが、これら2ストエンジンは、どういう訳か要求オクタン価が最低110となっています。
左の写真はプラグチェックをしているところです。動力伝達方式はスクーターと一緒で遠心クラッチのベルトドライブです。右ひじあたりにあるのがドリブン・プーリーになります。
機械の右側カウルを外したところ。中央少し下はチャンバーからのパイプでサイレンサーは1つに集合されています。排気ガスはこの真下に排出される格好です。チャンバーはフロントカウルの中にある感じですね。左隅にあるのがチェーンケース。ドリブン・プーリーからシャフトでチェーンケース内のスプロケットに動力が伝達され、キャタピラーのドリブンスプロケットにチェーンで伝達されます。チェーンケース内はオイルが入っているとの事。AMSOILでチェーンケースオイルというのがありますけれど、これに使うんですねぇ。ブレーキはドリブン・プーリーとチェーンケース内のスプロケットをつなぐシャフト上にディスク・ローターを取りつけています。
キャタピラーの写真です。このような突起が付いています。大きさ比較のためたばこの箱を一緒に写しました。突起は5cmありそうです。これを雪に食い込ませて駆動するのですから・・・。スノーモービルにだけは轢かれたくないですねぇ。